2026年4月、住宅業界に激震が走っています。
こんにちは、築地不動産の2代目、天野こころです。
元現場監督の私にとって、このニュースは「いよいよ来たか……」という重い響きを持って届きました。住宅設備大手・TOTOによるユニットバスの受注停止。これは単なる一時的な遅延ではなく、2026年の住宅市場、そして私たちの暮らしの前提が大きく変わるターニングポイントかもしれません。
プロの視点から、この「資材ショック」の本質を読み解きます。
事実:なぜ「お風呂」の注文ができなくなったのか

2026年4月13日、TOTOがユニットバスの新規受注停止を発表しました。再開時期は未定です。その引き金となったのは、緊迫化する中東情勢。
- 供給網の断絶: 石油由来の原料「ナフサ」の供給が不安定化。
- 素材の欠乏: ユニットバスに不可欠な接着剤、コーティング材、樹脂パーツの調達が困難に。
- ドミノ倒し: 1つのパーツが欠ければ、製品は完成しません。業界全体で供給制限の動きが広がっています。
これは「お風呂だけの問題」ではない
現場を知る人間として断言しますが、これは氷山の一角です。
ユニットバスが止まった理由は「石油」にあります。つまり、石油化学製品に依存している建材すべてがリスクにさらされているということです。
影響を受ける主な建材リスト
| ジャンル | 具体的な素材 | 用途 |
| 断熱材 | 発泡ウレタン、ポリスチレン | 家の温度を守る要 |
| 防水・接着 | 防水シート、各種接着剤 | 雨漏りを防ぎ、構造を固める |
| 内装・仕上げ | ビニールクロス、床材 | 部屋の見た目と清潔感 |
| 樹脂建材 | 樹脂サッシ、配管 | 窓の断熱や水回り全般 |
【2026年の変質】「高い」から「手に入らない」へ
これまでの資材高騰とは、明らかにフェーズ(段階)が変わりました。
- これまで: ウッドショック等による「価格の上昇」。高くても、待てば買えた。
- 2026年〜: 情勢不安による「供給制限(受注停止)」。そもそも、お金を出しても手に入らない。
住宅という「ローカル(地域的)」な商品は、その裏側で、驚くほど「グローバル(世界的)」な供給網に支えられています。中東の風が吹けば、日本の現場の工期が止まる。それが今のリアルです。
これからの「家づくり」に求められる覚悟

これから家を建てる、あるいはリフォームを検討されている方は、以下の事態を「通常運転」として想定しておく必要があります。
- 仕様変更への柔軟性: 「このメーカーのこのお風呂じゃないとダメ」が通用しない時期が続きます。
- 工期の不確実性: 「設備が届かないから着工できない、あるいは引き渡しができない」リスク。
- 契約後の価格調整: 資材が入るタイミングで価格が変わる「スライド条項」の重要性が増します。
「家が完成するまで」のプロジェクト管理は、今や現場監督だけでなく、施主様(お客様)との共同作業です。完璧を求めるよりも、状況に合わせた「プランB(代替案)」を常に持っておくことが、心穏やかに家づくりを進めるコツです。
最後に:現場の「つながり」を伝えていく
お風呂が止まる、断熱材が上がる。これらはバラバラの現象ではなく、世界情勢という一本の線で繋がっています。
築地不動産の2代目として、そして一人のママとして。この変化の激しい時代に、どうすれば大切な資産である「住まい」を守り、納得のいく選択ができるのか。これからも現場のリアルな体温を乗せて、情報を発信し続けます。

